Mar 08, 2011

TOTOの外壁塗装"ハイドロテクト"

ハイドロテクトあなたは聞いたことがあるだろうか。これは、TOTOが開発した外壁塗装剤。特徴は何かというと、太陽の光が当たると、汚れが自然に落ちるということ。構造は、光触媒太陽の光の汚れ成分を分解して、その素材は、外壁についた土を日光に浮かば雨がそれを流して一つもキラキラは優れもの。私の家の外壁塗装に使用すると、自慢の家が毎日の光沢がある。
住宅建築は、一般個人にとっては一生に一度のものが多いので、可能であれば、自分の必要に応じて注文住宅にしたいものだ。デザインや機能など、多様な意見を付けたいのは当然だが、構造的な強度や耐候性対策などのアマチュアは考慮していない点も多い。そこで注文住宅ではご注文主の意見に基づいている場合でも、まず、専門家の意見をもとに話を進めることが、最終的に住みよい住宅ができると考える。
 故・長沼健さんは、往年のサッカーファンなら誰しも知る日本代表選手であり、日本サッカー協会会長としても活躍された方である。その長沼さんが書かれた『11人のなかの1人―サッカーに学ぶ集団の論理』(日本生産性本部)の中に、「ボールから一番遠い時、何を考え何をしているか」という一節がある。――。

 「1試合で1人の選手がボールに直接関係している時間は、合計してもわずか2分か3分と言われている。1試合が90分だから、ボールに関係していない時間が87分から88分という計算になる。

 ボールに直接関係している時は、世界のトップ・クラスの選手も、小学校のチビッコ選手も同じように緊張し集中している。技術の上下はあっても、真剣であることに変わりはない。

 ボールに直接関係していない時間の集中力が、トップ・クラスの連中はすごいのだ。逆に言えば、ボールに直接関係していないときの集中力のおかげで、いざボールに関係する時の優位を占めることができるし、持っている技術や体力が光を帯びることになるわけである。

 サッカー選手の質の良否を見分ける方法は比較的簡単だ。ボールから遠い位置にいる時、何を考え、どういう行動をとるかを見れば、ほぼその選手の能力は判断できる」

●自分を一段高いところから観察

 ところで、心理学の研究テーマの1つに「メタ認知」がある。メタ認知とは、自分が認知していることを認知することで、現実に考え行動している自分を、もう1人の自分が一段高いところから観察することを言う。

 世阿弥は約600年前に「離見の見」(りけんのけん)・「目前心後」(もくぜんしんご)と言った。つまり、能をうまく舞うためには、「舞台を俯瞰(ふかん)できる場所に(想像上の)視点を置き、自分自身の舞いを客観的に眺めよ」「目は前を見ているが、心は後ろに構えておけ」と指南するのだ。優れた舞いは、現実に舞っている自分と、それを監視し冷静にコントロールするもう1人の自分との共同でなされるという奥義である。世阿弥の伝えたことが、今日の心理学でいうメタ認知にほかならない。

 メタ認知は、実は日ごろの仕事現場にも不可欠な能力である。例えば、会議や商談などで「空気を読んで」適切な発言をすること。これができるには、その場の状況の流れを客観的な位置から感じ取るメタ認知能力が必要になる。

 また、何か悪い出来事やストレス負荷のかかる状況に接した時、それをネガティブな思考回路にくぐらせず、ポジティブな解釈で対処するのもメタ認知レベルの作業である。

 さらには、他社の成功事例から学ぶケーススタディは、その本質の部分を抽出して、自社に応用するという抽象化思考を行っているわけだが、これもメタ認知活動の1つである。同様に、いま流行のクリティカル・シンキング(批判的思考)も、視点を一段上げ、そこから情報の矛盾や真偽を明らかにしていくという点でメタ認知的である。

 私はみずから行っているキャリア教育プログラムの中で、「セルフ・リーダーシップ」というセクションを設けている。セルフ・リーダーシップとは、みずからがみずからを導くことであるが、これを説明するのに私は、「現実の世界で迷い、悩み、揺らぐ自分を、大いなる目的を覚知したもう1人の自分が導く状態」としてきた。これはまさに、セルフ・リーダーシップのためにはメタ認知能力が不可欠であることを言っている。

●もう1人の自分をこしらえるのに大切な3つのこと

 さて、冒頭の長沼さんの言葉。彼は結局、「優れたプレーヤーというのはボールが自分のところに回ってきた時だけ、局所的・分業的に高度な技術を発揮できればよいと考える人間ではなく、ボールがどこにあろうが、ピッチ全体を見渡す視点からゲームを眺め、大局的な判断から献身的に、時に犠牲的に動き回る人間のことだ」と言っているのだ。

 やはりこれも、高台にいる想像上のもう1人の自分が、ピッチでプレーする現実の自分と常に高速でやりとりをしながら、瞬間瞬間にベストと考えるプレーを行うというメタ認知能力を駆使している姿である。

 スポーツにせよ、芸術にせよ、そしてビジネス現場の仕事にせよ、高台から自分を見つめるもう1人の自分をこしらえることは、きわめて重要な能力となる。では、その高台のもう1人の自分をこしらえるためには、具体的にどんなことが必要になるのか――それは次の3つのことが挙げられる。

 1つ目に飽くなき向上心を持って、理想の自分像を思い描くこと。2つ目に関わるプロジェクトに関し、大きな目的(何を目指すのか+なぜそれをやるのか)を持つこと。3つ目にたとえ部分的に関わっていることでも、全体の責任を担うという責任者意識、当事者意識、オーナー意識を持つこと。

 ――これら3つを意識したもう1人の自分をこしらえたなら、現実の自分を高台から叱咤激励し、きっと自分が予想もしなかった高みに引き上げてくれるに違いない。

(村山昇)

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